この冬、私は「湿度おたく」みたいになってます。
きっかけは朝起きたら口の中が乾燥しすぎてカラカラになってたから。
こんなんじゃ風邪ひいちゃうと思って、湿度コントロールをすることに。
ちなみに、こういう時「まず加湿器!」ではなく「まず湿度計!」と考えるのが、ちきりん流。
てかダイエットするときだって、まず買うべきはダイエット食品ではなく、体重計ですからね。
ちきりんセレクトでレビューするために、あれこれ湿度計を買いまくってる。湿度って、奥が深い。。。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) December 12, 2019
(数字が違うのは家のあちこちに置いてたのを集めてきたから) pic.twitter.com/IlxzMCGVu8
さて、
冬の湿度コントロールで気になるのが、「風邪やインフルエンザも心配だが、結露やカビもウザイ」ってことです。
部屋が乾燥しすぎてるからと加湿器を連続使用してると、風通しの悪い場所にカビが生えたり、結露が発生(増加)したりします。
だから「とにかく加湿!」ではなく、「適切な湿度になるまで加湿!」が必要なのですが、ってことは「湿度計」が不可欠。
なのでまずはコンパクトな湿度計を買ってみました。
足を開いて自立させる薄型タイプ。5センチ角くらいのコンパクトな温湿度計。
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シリーズ品の中には、厚みが2センチあり、その幅で自立させるタイプ(さらに安い)もあります。こちらは立てたときの画面が垂直。
dretec(ドリテック) 温湿度計 温度 湿度 デジタル O-257BK(ブラック)posted with amazlet at 19.12.15dretec(ドリテック) (2014-05-01)
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これを買って気づいたのが、「冬の室内は想像以上に乾燥してる!」ってことです。
しかもこれまでは「洗濯物を干しておけば大丈夫でしょ」と思ってたけど、これも完全に間違いだとわかってショックを受けました。
洗濯もので部屋の湿度を上げようと思うと、大量の洗濯物を部屋中に干し、かつ暖房をつけっぱにしないと湿度が上がったりはしません。
浴室と面してる洗面所でも、お風呂に入った直後だけ湿度 70%になるけど、30分もしたら45%に戻っちゃうし。
鍋料理など煮炊きをしても、キッチンコンロの周りだけ 60%とかになるけど、ごく局所的かつ一時的だし。
こりゃー寝てる間に口の中がカラカラになるはずだわ。
ということで、素直に加湿器を買うことにしました。
買った加湿器はまた別のエントリで紹介するとして、今日はもうすこし湿度の話。
実は湿度には「相対湿度」と「絶対湿度」があります。
私たちが一般に湿度と呼んでるのは「相対」湿度で、上で紹介したような温湿度計で表示されるのも「相対」湿度です。
ところが!
実は空気というのは、温度によって含むことのできる水蒸気の量が違うんだよね。
当然、気温が高いほうが多くの水蒸気を含める=維持できる。
このため気温が高い夏の「湿度 90%」と、厳寒の冬の「湿度 90%」では、絶対値としての水蒸気の量がぜんぜん違う。
冬だと湿度が高くても夏ほどベタベタしないのは、これが理由です。
なお、
厳密には絶対湿度にも「容積絶対湿度 VH」と「重量絶対湿度 DA」があったり、それと「ほぼ同じだけど完全に同じ意味でもない」飽和水蒸気量という概念があったり難しいのですが、これ以上の詳細は(普通の人には不要なので)略。
より詳しく知りたい人は下記あたりをご覧ください
・https://komoriss.com/relative-humidity-volumetric-humidity/
で、私も「相対湿度」だけでなく「絶対湿度=1立方㎡の空気中にある水蒸気の質量(g/m3)」を表示できる湿度計を、追加で買ってみました。
「絶対湿度」だと、夏でも冬でも 10g/m3 から 11g/m3を目指せば良いので、「気温がこれくらいなら湿度は何%くらいがベスト」みたいな複雑な覚え方をする必要がありません。
冬の場合、7g/m3以下になるとインフルエンザや風邪といったウイルス感染の危険性が高まります。
その一方、湿度を上げすぎると(前述したように)カビや結露の原因になるので、10g/m3 から 11g/m3を目指して加湿器をコントロールすることにしました。
ウイルス対策で重要な「絶対湿度」早見表です。結露対策とのバランスから、絶対湿度の推奨は9〜10g/㎥あたり。最低でも、ウイルス感染危険水準の7g/㎥を下回らないように、温度と(相対)湿度の調整を。絶対湿度が高すぎると結露が増えるので、加湿し過ぎはNG。
— 瀬山 彰@日本の家づくり強化ディレクター (@penta8786) 2019年12月12日
推奨目安
20℃→50〜60%
22℃→45〜55% https://t.co/mmZWgNolgN pic.twitter.com/6ItJioZp0z
絶対湿度を測れる湿度計も、(値段はちょっと高くなりますが)いろいろ売られています。
まず一番オーソドックスなもの。
置き型で絶対湿度が測れる。目覚まし時計くらいの大きさかな。
表示は上段から、絶対湿度、温度、相対湿度+時刻 です。わたしはこれが一番、使いやすい。
あと、実は「アナログってわかりやすい!」と思わせられたのが、下記の湿度計。
これ、わかります?
ドリテック 熱中症・インフルエンザ警告 温湿度計 O-311WTposted with amazlet at 19.12.15ドリテック(dretec)
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温度と湿度はそれぞれの針で示され、その針の交点の下の色が「絶対湿度」に応じて塗り分けられています。
なので針の交点をみると、乾燥リスクと熱中症リスクが判定できる。
見て分かるように色分け部分はかなり複雑な形で、温度と(相対)湿度だけから、自分でこれを直感的に理解するのは不可能です。
加えてこれのいいところは、「あと温度が何度あがるとやばいんだな」とか、「温度じゃなく、湿度が問題なんだな」と、ビジュアルに理解できること。
デジタル測定器だと今の数字はわかるけど、変化の方向性や幅がわかりにくいんだけど、このアナログ温湿度計なら、それがわかるんです。
ただし、アナログ器は直接、絶対湿度の数値を表示できるわけではないし、
デジタルだとウイルス感染や熱中症のリスクが高まる「警告」レベルになると、ブザーがなったり、警告マークが点滅する機能もあるのですが、
アナログ測定器にはそういう機能はありません。
なので、絶対湿度の数値を正確に知りたい人はデジタルのほうがいいと思います。
なお、このアナログ測定器、数字はデジタルのものとほぼ同じになるので、正確さには問題はないけど、造りはチャチくておもちゃみたいです。
あと、割と大きいかな。大きめの目覚まし時計くらいあります。
★★★
小さいので、絶対湿度が測れるのはないのかなと探していてみつけたのがこちら。
名刺サイズ(ただし厚みはある)の携帯用。ストラップもついてます。
A&D みはりん坊ダブル AD-5687posted with amazlet at 19.12.15エー・アンド・デイ(A&D) (2013-05-20)
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これも含め絶対湿度を測れる機械は、
・冬はウイルス感染予防のため
・夏は熱中症予防のため
に使われるのですが、
どちらかというとこの携帯用測定器は、夏に威力を発揮すると思います。
ベビーカーに付けたり、子供のカバンに付けたり、ペットのリールに付けるなど、自分とは「地面からのアタマの高さが違う」人の熱中症リスクを判定するのに、とてもいい。
暑さを感じにくくなっている高齢者なら(ストラップを長くして)首から下げ、ブザーがなったら必ず冷房をつけるように、と指示しておくのもありかもしれません。
私はホテル泊が多いのですが、ホテルも乾燥してることが多いので、これを旅行にもっていこうと思ってます。
以上、あれこれ買ってみましたが、どれもお勧めなので用途に合わせて選んでみてください。
なお私のお勧めの買い方は、「ひとつは絶対湿度の測れるのを買う」のと、
+家の広さにあわせ、安くてコンパクトな「相対湿度を測る温湿度計」を複数買って、ベッドルームやリビング、お風呂の脱衣所など、気になる部分に置いておくことです。
なぜなら、
「家の中の湿度が場所によってどれくらい違うものか」「鍋や入浴でどれくらい湿度が変化するのか」がわかると、加湿器を適切に使うことが可能になるからです。
加湿器のすぐ近くと数メートル離れた場所で、どれくらい加湿器の効果が違うのかわかれば、どこに加湿器を置くべきかもわかるでしょ。
実は加湿器のすぐそばと、ちょっと離れた場所では、湿度がかなり違うんです。
あと私が驚いたのは、真冬のカラカラの日の場合、「窓をあけて空気を入れ換えると(フレッシュな空気が入ってくる一方で)温度だけでなく湿度もぐーんと下がる」ってことでした。
だから空気を入れ換えたら、すぐ加湿器を強にしないと、湿度がなかなか戻りません。
でもその一方、むやみに加湿器をつかって、カビや結露を発生させるのもヤですよね。
必要なとき、必要な場所で、必要な分だけの加湿をするためにも加湿器だけでなく湿度計を使うことが重要なんです。
みなさまのおうちにも(ひとつは絶対湿度が測れるものを)設置してみてはいかがでしょう?
アマゾンで買う方は、エントリ中のリンクからどうぞ。
なお、この湿度計は「夏の熱中症予防」にも威力を発揮します。夏に関しては下記のエントリをどうぞ。
↓
chikirin-shop.hatenablog.com