冬になると、ほんとに乾燥がひどい。
朝おきたら喉がカラカラで咳がでたり、爪が割れやすくなったり、手や髪や唇がパサパサ&ゴワゴワ。
加えて空気が乾燥してると、風邪やインフルエンザにもかかりやすくなるので、お部屋の湿度コントロールは美容にも健康にも大切。
で、湿度コントロールをと考えたのですが、
こういう時に「よし加湿器を買おう!」ではなく「まずは湿度計を買おう!」となるのが、ちきりん流。
だってダイエットするときだって、まず買うべきはダイエット食品ではなく、体重計でしょ。
数値で現状把握や効果測定ができないと、湿度も体重もコントロールできません。
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それに、「風邪やインフルエンザも心配だが、結露やカビもウザイ」はず。
乾燥してるからと加湿器を連続使用してると、収納の中や家具の裏といった風通しの悪い場所にカビが生えたり、結露が発生(増加)します。
だから「とにかく加湿!」ではなく、「適切な湿度になるまで加湿!」が重要。
なのですが、ってことはやっぱり湿度計が不可欠。
というわけで、まずはアレコレ湿度計を買ってみました。
ちきりんセレクトでレビューするために、あれこれ湿度計を買いまくってる。湿度って、奥が深い。。。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) December 12, 2019
(数字が違うのは家のあちこちに置いてたのを集めてきたから) pic.twitter.com/IlxzMCGVu8
で、ここで気づいたのが、「湿度には、絶対湿度と相対湿度という、異なるふたつの数値がある!」ってことでした。
相対湿度とは天気予報などで報じられる湿度で、一般的な湿度計で表示されるのはほとんどすべて「相対」湿度です。
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一方、私が愛用してるのは、下記のような「絶対湿度」が計れる湿度計です。
目覚まし時計くらいの大きさかな。
表示は上段から、絶対湿度、温度、相対湿度+時刻
絶対湿度というのは、「1立方㎡の空気中にある水蒸気の質量(g/m3)」で、一定の空気中に含まれる水の量。
空気は、温度(おんど)によって含むことのできる水蒸気の量が違うため、同じ(相対)湿度でも実際の水分量は気温や室温によって大きく異なります。
当然、気温が高いほうが多くの水蒸気を維持できる。
このため気温が高い夏の「湿度 90%」と、厳寒の冬の「湿度 90%」では、絶対値としての水蒸気の量がぜんぜん違うんです。
相対湿度が同じでも、冬だと夏ほどベタベタしないのは、これが理由。
また、窓だったり氷水をいれたコップの表面が結露するのも同じ原理。
ガラスの表面温度が低くなると、暖かい室温でなら維持できていた水分を保持できなくなり、水滴となるのが結露です。
なお、
厳密には絶対湿度にも「容積絶対湿度 VH」と「重量絶対湿度 DA」があったり、それと「ほぼ同じだけど完全に同じ意味でもない」飽和水蒸気量という概念があったり難しいのですが、これ以上の詳細は(普通の人には不要なので)略します。
より詳しく知りたい人は下記あたりをご覧ください
・https://komoriss.com/relative-humidity-volumetric-humidity/
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というわけで、我が家では絶対湿度計を使って湿度コントロールをしているのですが、
「絶対湿度」に関しては夏でも冬でも 11g/m3 くらいを目指せば良いので、「気温がこれくらいなら湿度は何%がベスト」みたいな複雑な覚え方をする必要はありません。
冬の場合、7g/m3以下になるとインフルエンザや風邪といったウイルス感染の危険性が高まります。
なので私は絶対湿度が 10g/m3を切ると、加湿器をオンにするようにしてます。
冬の場合、加湿器を使わないとこの数字が 7とか 8くらいになることもよくあるんですが、反対に夏にはすぐに 17g/m3 とかになる。
なのでこちらも 11g/m3 を目指して除湿機やエアコンを使います。
実際にやってみると、夏でも冬でも 11g/m3 の絶対湿度というのは、本当に快適な湿度なのだと理解できます。
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環境をしっかり数値で把握する重要性を理解できたのも大きい。
以前は「冬で乾燥してても、部屋に洗濯物を干しておけば大丈夫でしょ」と安易に考えていました。
でも、ちゃんと絶対湿度の変化を観察してみたところ、これは完全に間違いでした。
洗濯モノで湿度を適性レベルまで上げるのはかなり困難で、大量の洗濯物を部屋中に干し、かつ暖房をつけっぱにしないと難しいと理解できます。
しかも、洗濯物ではコントロールができません。
「数字が 12g/m3 を超えたら加湿はストップする」、こういう調整ができないと、 乾燥は防げても、結露やカビが発生する。
ましてや「お風呂のドアを開けっぱなしにしておいて、リビングの湿度を上げる」なんてことができるのは、ワンルーム住まいの人だけです。
絶対湿度計を買うと、「我が家のリビング(やベッドルーム)にはどの大きさの加湿器が適切か?」とか、「加湿器はどこに置くべきか?」なども数値ベースで確認できます。
部屋の大きさにたいして加湿器が小さすぎると絶対湿度はなかなか上がらないし、パワフルすぎる加湿器の場合はこまめにオンオフしないと結露の原因になる。
こういうことが、ファクトベースで確認できるのが、絶対湿度計のすばらしいところです。
相対湿度計だと、温度変化によって意味が変ってしまうので、朝と昼間や、昨日と今日など、気温が異なるタイミングの比較ができません。
相対湿度が同じ 60%でも、気温の違いにより、実際の湿度が増えたのだか減ったのだか(複雑な計算をしないと or 換算表を見ないと)わからないから。
これでは必要なとき、必要な場所で、必要な分だけの加湿をするのが不可能です。
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私のお勧めはこちらの絶対湿度計ですが、
小さくて持ち歩きのできる絶対湿度計もあります。
名刺サイズ(ただし厚みはある)の携帯用で、ストラップもついてます。
家で使うなら上記の大きいモノのほうが見やすいですが、出張の多い方など、乾燥しがちなホテルの部屋の湿度がチェックしたいならこちらもいいかも。
これらの絶対湿度計は、夏にはスイッチを切り替え、熱中症指数も計れるようになってます。
熱中症予防の場合は、さらに「持ち歩きたい」というニーズが強いかもしれません。
特に、小さな子供を連れてでかけるときなど、「子供の背丈の位置の温度や熱中症指数も知りたい」と思うなら、ベビーカーにぶら下げたりもできる、こちらがいいかも。
なお、どちらも乾燥しすぎ、もしくは、熱中症の危険が高まると、ブザーがなるように設定できます。
なので、暑さを感じにくくなっている高齢者にプレゼントし、特に真夏は「ブザーがなったら必ず冷房をつけるように」と指示しておくのもいいでしょう。
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これも含め絶対湿度を測れる機械は、
・冬はウイルス感染予防、カビや結露予防、肌や爪、髪の乾燥予防のため
・夏は熱中症予防のため
と多機能に役立ち、ほんと「一家に一台」あったほうがいいガジェットだと思います。
みなさまのおうちにも(ひとつは絶対湿度が測れるものを)設置してみてはいかがでしょう?
ここまでの商品紹介はすべてアマゾンへのリンクですが、
→ 樂天 「湿度計」「絶対湿度」の検索結果はこちら
「夏の熱中症予防」に関しては下記のエントリでもまとめています。
↓
chikirin-shop.hatenablog.com
また、加湿器については下記エントリにて、私の使っている商品を紹介しています。
chikirin-shop.hatenablog.com